屋久島と言えば縄文杉をはじめ屋久杉の森などが有名ですが、それだけではありません。
雄大な滝やエメラルドグリーンの川・ヤクシカやヤクザルなどのアニマルウォッチングやウミガメが産卵に来る砂浜など見どころがいっぱい。
屋久島に住んで20年以上の現地ガイドがおすすめの観光スポットをご紹介いたします。
ワンポイントアドバイスが結構役立つかもしれませんよ。
目次
大川の滝(おおこのたき)
落差88m、日本の滝百選にも選ばれている屋久島を代表する滝です。
屋久島では川(河)のことを方言で(コまたはコウ)と言います。
有名な滝はいくつもありますが、どれか一つを選ぶのであれば大川の滝です。
他の場所であれば柵などが設置され近づくことができないであろう滝つぼに近くまで歩いていくことが可能です。
水しぶきも浴びることができる迫力満点の滝。
マイナスイオンいっぱいの空間は癒されること間違いなしです。
ワンポイントアドバイス
多くの人たちは急ぎ足で去っていきますが、コーヒーを飲んだりお弁当を食べたり、ぼ~としたりまったりとした時間をとるとリラックスして癒されます。
注意点
石は滑りやすいので転ばないように気をつけましょう
滝つぼでは泳がないようにしましょう。水難事故が発生しています。
大増水した時には大迫力ですが近づくことすらできません。その場合には潔く諦めましょう(笑)
千尋の滝(せんぴろのたき)
大川の滝と双璧をなす屋久島を代表する滝。
広大な一枚岩が特徴です。尋は長さの単位。一尋(ひとひろ)は両手を広げた長さを表し、千尋はこの広大な一枚岩の長さをあらわしています。
落差60mの大きな滝ですが、大川の滝ほど近くで見ることはできないのが残念なところ。
ワンポイントアドバイス
滝の南の方にはもう一つの展望台があり(売店などの反対方向)、屋久島の南側の集落や海原を見下ろすことができます。
メインの展望台とは反対方向になるため気づかない人も多いようです。
西部林道(せいぶりんどう)
屋久島の西側の林道(県道)を西部林道と呼んでいます。
屋久島と言えば世界自然遺産の島として有名ですが、屋久島全域が世界遺産に指定されているわけではありません。屋久島の約5分の1程度です。
多くの場所は山を苦労して登らないといけない場所なのですが、唯一例外がありその場所がこの西部林道。
車で簡単にいくことができる世界自然遺産の地域で、ヤクシマザルやヤクシカを見るのに最適なアニマルウォッチングの場所となっています。
その遭遇率はほぼ100%!
ワンポイントアドバイス
車道はとても狭いのでスピードは出さす、ライトをつけて走行してください。
もし、心配な方は里めぐり観光ツアーにご参加いただくと運転の心配もなく、効率よく周ることができますよ。
注意点
動物にはエサをあげないでください。(エサをあげると人に近づくようになって危険です)
写真を撮るのに近づきすぎないようにしましょう。(近づきすぎて威嚇される人が多いです。動物たちにも許せる距離感があります。動物の立場になって接するのが重要です。)
ヤクシマザルが道路をふさぐようにいることがありますが、ゆっくりと脇を走行しましょう(基本的には車が近づけばサルは避けてくれます。窓は閉めて、サルと目を合わせないようにしましょう。)
ウミガメの産卵日本一「いなか浜」
ウミガメの産卵地として有名な砂浜。
花崗岩が風化した白い砂浜は美しく、ラムサール条約(湿地に住む動植物を守るための国際的な条約:ここでは屋久島のウミガメを保護するために)にも指定されています。
日中はウミガメを見ることができませんが、屋久島ブルーの海を見ているだけでも気持ちのよい場所です。
ウミガメの産卵が見られるのは5月~7月の夜間。詳しくは永田ウミガメ連絡協議会をご覧ください。
ワンポイントアドバイス
写真では泳いでいる人もいますが、遠浅の海ではなく、近深の外海になるので十分気をつけましょう。また、日差しが強いので上着を着て泳ぐのが必須です。後で後悔するぐらいの日焼け(やけど)になります。
ご要望があれば誰もこない近くの砂浜をご案内することも可能です。
このような所でゆったりとした時間を過ごすのはとても気持ちがいいですよ。
エメラルドグリーンの清流「横河渓谷」
屋久島を一周する道路からちょっと寄り道する程度でエメラルドグリーンの清流を味わうことができる横河渓谷。
アクセスは道が狭く、少し分かりづらいかもしれません。
夏であれば泳ぎたくなること間違いなし・・・ですが、ライフジャケットを着用し、十分に気をつけて遊びましょう!
水難事故が多いところです。
川の水は冷たく、海に比べ浮力がないので自分が思っているよりも泳げないものです。(経験談:20代の頃、友人が溺れかけました)
また、屋久島の川は非常に急峻のため、すぐに増水したり、里地は雨が降っていなくても山では雨が降っていたりします。水量が増えてきたり、水が濁りはじめたら泳ぐのはすぐに止めましょう。
ワンポイントアドバイス
白谷雲水峡やヤクスギランドでもきれいな清流を味わうことができるので時間がなければ立ち寄らなくても良いかも。
ただし、屋久島の川の綺麗さは屋久島の自慢できることのひとつ。
個人的には縄文杉よりこういった川のきれいさに魅了されています。
猿川のガジュマル
屋久島から南の方で見られる亜熱帯性の植物「ガジュマル」。沖縄でも有名ですね。
幹から気根(きこん)と呼ばれる根っこを出して縦横無尽に広がっている姿は圧巻です。
他の木に巻き付いたりする「締め殺しの木」の一種でもあります。
子供を連れていけばジャングルジムのように木登りを楽しむことができます。
木を傷めないように安全に楽しみましょう!
ワンポイントアドバイス
屋久島の各集落では大小のガジュマルの木を見ることができますが、有名な観光地となっているのは志戸子のガジュマル園(入場料:200円)と中間のガジュマル、猿川のガジュマルの三か所。
志戸子のガジュマル園と猿川のガジュマルは時期によっては虫が多いので注意が必要です。
中間のガジュマルは開けた場所にあり虫は少なく通年楽しめますが、「the観光地」という感じで少し面白みにはかけるかもしれません。それでは、樹齢300年とも言われるガジュマルの木を見ることができます。
屋久島灯台(通称:永田の灯台)
教会のように美しい屋久島灯台。
明治30年に日本から台湾に向かう台湾航路整備のため造られた灯台のひとつです。
灯台の明かりは約40km先まで届くようです。
永田集落の小学校校歌では「やさしい目をしたお母さん」と歌われるほど親しまれた存在です。
今でも毎日点灯しているか見守る灯台守(永田集落から目視)の方がいらっしゃいます。
夕方には夕日、夜には星空と灯台の明かりとすばらしい自然環境のところですが、主要な町から遠く、街灯もなく本当に真っ暗ですのでライトが必須です。
注意点
屋久島灯台に至る道はとても狭く(幅は車一台分)すれ違うのも大変な道ですので十分気をつけて走行しましょう。
ワンポイントアドバイス
灯台の裏には海の守り神「えびす様」を祭ってあります。
また、塀からすこし頭を出して周りの景色を見てもらうと世界自然遺産の森や大海原を望むことができます。
松峯大橋(まつみねおおはし)
安房川にかかる高さ70mほどの朱色の美しい橋。
ブロッコリーのようにモコモコとした照葉樹林(常緑広葉樹)の森とエメラルドグリーンの透き通った川を俯瞰することができます。
春には新緑の色とりどりの緑を楽しむことができます。
ワンポイントアドバイス
ベストシーズンは春。色とりどりの新緑を楽しむことができます。
もっと身近で川と緑を感じたい方はカヌー体験がおすすめです。カヌー独特の浮遊感と水面からみた景色はとても新鮮です。屋久島リバーカヤックツアー
以上、屋久島の里(麓)で見られるおすすめの観光スポットをご紹介しました。
山・森・川・里、海、それぞれの良さを知っていただくと、世界自然遺産に選ばれた屋久島の自然の奥深さをよりよく知ることができると思いますよ。
(ガイドの解説を聞きながら、運転を任せて効率よく周ることができます。宿泊先だけでなく、空港やや港にも送迎しますので屋久島旅行の初日や最終日にご参加いただくことも可能です。)
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